唯識(ゆいしき)とは、全ての存在はただ〈識〉、すなわち〈心〉にすぎないとする見解のこと。般若経の空(くう)の思想を受け継ぎながら、しかも少なくともまず識は存在するという立場に立って、自己の心の在り方をヨーガの実践を通して変革することによって悟りに到達しようとする教えです。この思想を打ち出した学派を唯識派と呼びます。