無明(むみょう)とは、仏教語において人生や物事の真相に明らかでないこと。すなわち、すべては無常であり固定的なものはなにもない(無我)という事実に無知なことを言います。この無明がもとで固執の念をおこし、さらに種々の煩悩の発生となる。迷いの根本で、愚痴とも称され、貪欲・瞋恚と合わせて三毒と言われます。また、十二因縁の第一支ともされます。すなわち、無明を縁として行・識・生・老死の諸法が生じ、無明が滅すれば、それらの諸法は滅するとされます。