墓石本舗用語集:極楽(ごくらく)
極楽(ごくらく、梵: スカーヴァティー)とは、阿弥陀仏の浄土であり、サンスクリット語「スカーヴァティー」は「スカー」に「ヴァティー」を加えたもので「幸福のあるところ」「幸福にみちみちてあるところ」の意味。須呵摩提(しゅかまだい)、蘇珂嚩帝(そかばってい)、須摩提(しゅまだい)、須摩題などと音表され、安楽、極楽、妙楽などと訳出された。
『阿弥陀経』には「衆苦あることなく、ただ諸楽を受くるが故に極楽と名づく」というが、梵蔵文では、衆苦を身心の諸々の苦といい、諸楽を楽の材料というから、極楽とは身心が共に苦を離れていて、幸福の材料だけがあるところの意味。
親鸞は『唯信砂文意 』に「極楽無為涅槃界」を下記のように釈している。
“ 「極楽」と申すはかの安楽浄土なり、よろづのたのしみつねにして、くるしみまじはらざるなり。かのくにをば安養といへり、曇鸞和尚は、「ほめたてまつりて安養と申す」とこそのたまへり。また『論』(浄土論)には「蓮華蔵世界」ともいへり、「無為」ともいへり。「涅槃界」といふは無明のまどひをひるがへして、無上涅槃のさとりをひらくなり。「界」はさかひといふ、さとりをひらくさかひなり。 ”
つまり極楽とは、相対の立場では四苦や八苦のような現実苦と相対する 身心共に楽な世界ということ。絶対の立場では、不苦不楽の世界 であり、無為涅槃界である。
極楽(ごくらく)