煩悩(ぼんのう)とは、心身を乱し悩ませる汚れた心的活動の総称。輪廻転生をもたらす業(ごう)を引き起こすことによって、業とともに衆生を苦しみに満ちた迷いの世界につなぎとめておく原因となるものです。外面に現れた行為(業)よりは、むしろその動機となる内面の惑(煩悩)を重視するのが仏教の特徴であり、それゆえ伝統的な仏教における実践の主眼は業そのものよりは煩悩を除くこと(断惑)に向けられます。